フランチャイズマニュアル

フランチャイズマニュアルはフランチャイズ本部にとっての商品

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フランチャイズマニュアル作成の流れ

マニュアルが果たす役割とは?

マニュアルは何のためにあるのか?

顧客が、ある店舗へ訪れる度に商品・サービスの品質が良かったり・悪かったり、提供する従業員のレベルが高かったり・低かったり。これでは、顧客満足度が上がらないことは容易に想像できます。また、チェーンの中の一部店舗でこのようなことが起きてしまえば、チェーン全体のブランド力が落ちてしまうことにもなります。
このような事態が起きないように、「どんな時でも」「誰が行っても」「どの店舗でも」商品・サービスの品質レベルが一緒になるように、顧客へ価値を提供する一連の流れ(ビジネスプロセス)が常に同じである必要があります。この「同じである状態」を保つためにマニュアルは必要なのです。
茶道や武道など伝統芸能の世界における教えとして有名な『守・破・離(しゅはり)』という言葉があります。
守:師匠(指導者)の教えのもと、決められた型(やり方)を守り、その基本を習得する
破:「守」の基本をベースに、工夫や改善を行ない、少しずつ基本を破り、発展していく
離:師匠の教えや基本の型から離れ、独自の型へと進んでいく
マニュアルは、この「守」にあたります。この「守」があるからこそ、その後の成功があるのです。

マニュアルがあるとサービスが画一的になってしまうのか?

よく、「うちではマニュアルは作らない。サービスが画一的になるから」という企業があります。私の正直な意見を言わせてもらえば、何も出来ていない・しようとしていない企業の言い訳でしょう。
たしかに、何からなにまで100%の業務をマニュアルにすることは不可能ですし、マニュアルに規定してない2~3割の対応に対して顧客満足度が向上することもあります。その意味からも、マニュアルにする(できる)部分は7~8程度と考えて準備を進めると良いでしょう。

フランチャイズチェーンにとってのマニュアルとは?

では、フランチャイズチェーンにとって、マニュアルはどのような存在になるでしょうか?
ここで、フランチャイズビジネスについて、その基本概念を確認します(フランチャイズとは?)。

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本部から加盟者に対してはフランチャイズパッケージが提供されます。フランチャイズパッケージとは、「商標の継続的使用の許可」「経営ノウハウの提供」「継続的な経営・運営指導」などが含まれます。そして、加盟者はこのパッケージの見返りとして、本部に対価(加盟金、ロイヤルティなど)を支払うことになります。

ここでいう「経営ノウハウの提供」とは、「フランチャイズ本部が持つ経営ノウハウの集大成」を形にした「マニュアル」を加盟者に渡す行為にあたります。そして、このマニュアルをベースにして「継続的な経営・運営指導」が行われます。
これらに対して対価が支払われるという点を考えると、フランチャイズ本部にとってのマニュアルとは「商品」を象徴するものになります。「商品」ということを考えれば、フランチャイズ本部が、相応の質と量のマニュアルを準備していることは必須であることがわかっていただけれると思います。

マニュアル作成の手順とは?

マニュアルはいきなり作れない?

さぁ、フランチャイズ本部を構築するぞ。マニュアルが加盟金の対価となるのであれば、すぐにでもマニュアルを作らなければ!!となっても、いきなり書き始めることはできません。
マニュアル作成は、『ルール作り→しくみ作り→マニュアル作り→しかけ作り』という流れに従って進みます。

マニュアル作成|ルール作り

ルール作りとは、商品の製造方法、飲食物の調理方法、サービスの提供方法、接客方法など、その具体的手段や手順について、できるだけ具体的に制定していくことです。この時には、寸法、時間など、数値に置き換えて行く作業も必要です。
店舗によって、あるいは人によって、これらが異なってしまっては、顧客に提供する商品・サービスの品質にバラつきが出てくることは容易に想像できると思います。ですから、最初にこのルールを作ることから始めるのです。

マニュアル作成|しくみ作り

次に、決めたルールを一連の業務の流れ(ビジネスプロセス)にしたがって実行できるよう、しくみを作り上げていきます。このとき、一連のプロセスを最適化し、効率的・効果的に業務が流れるよう最適化していく必要があります。
業務の流れを最適化するときに「ECRS」という考え方が使えます。

Eliminate【排除】そのプロセスをやめられないか
Combine【統合】そのプロセスを他のプロセスと統合できないか
Rearrange【順序変更】プロセスの順序の変更はできないか
Simplify【単純化】そのプロセスを簡単にできないか

プロセス改善を以上の順序で試すと効果が高くなります。
さらに、ITを活用することによって、さらなる効率化が図れることになります。しかし、あくまでもIT化は手段にすぎません。あくまでも、業務のルール化としくみ化をしたうえで、より最適化を図る手段としてIT化を考えなければ、IT投資に対する最大限の効果は得られません。

マニュアル作成|マニュアル作り

そして、マニュアルを作成していくことになります。
マニュアル作成の具体的手順や体制、わかりやすい書き方などについては、別の機会に書きたいと思います。

マニュアル作成|しかけ作り

マニュアルは作って終わりではなく、活用していくことが重要です。さらに、一部の店舗や担当者だけが活用していても意味がありません。全店舗・全員がマニュアルを活用しなくてはいけません。
マニュアルを活用するためのしかけ作りが必要です。例えば「すぐに見られる状態にする」「教育ツールにする」「チェックツールにする」などがそれに当たります。
外部環境の変化や顧客の変化に対応するため、自社のビジネスモデルやビジネス・プロセス、商品・サービスの変化は常に行う必要があります。当然、それにともなってマニュアルの改訂作業も必須となります。そのための、管理体制や改訂ルールなどのしくみの整備が必要であり、マニュアルの活用→業務の改善→マニュアルの改訂という一連の流れが続くように、しかけを作っておく必要があります。

ぜひ、「マニュアルとは何か」ということをよく理解していただき、しっかりと準備をしていただきたいと思います。

 

※参考:フランチャイズ研究会 著『フランチャイズマニュアル作成ガイド』同友館

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