フランチャイズ

フランチャイズ事業にも使える『ものづくり補助金』とは?

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ものづくり補助金の推移

今年度も、通称「ものづくり補助金」の公募がありました。
2月5日から公募が開始された「平成27年度補正 ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金」は4月13日の締め切りをもって今年度分の募集が終了しました。採択結果の発表は6月の予定となっています。→2016年6月6日に発表されました

ものづくり補助金とは何か?

ものづくり補助金の概要

「平成27年度補正 ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金」の概要は以下になっています。

国内外のニーズに対応したサービスやものづくりの新事業を創出するため、認定支援機関と連携して、革新的なサービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行う中小企業・小規模事業者の設備投資等を支援します。

中小企業が、ものづくり・サービスの新たな事業を創出するための補助金です。成長戦略を実現するためのものとなっており、「革新的」がキーワードとなっています。補助金は基本的に返金しなくて良いものとなっており、その補助率は2/3とかなり大きなものとなっています。

きっかけはお客様の電話から

私が、この補助金を知ったきっかけは、お客様からいただいた一本の電話でした。
「ものづくり補助金っていうのがあるらしいんだけど手伝ってもらえます?」
正直、補助金や助成金などについては勉強不足で(中小企業診断士なのにすいません。。。)、「???」な状態でしたが、お世話なっているお客様からの依頼は原則断らない主義。ということで、まずは、どんなものなのか調べることに。それが「平成24年度補正 ものづくり中小企業・小規模事業者試作開発等支援補助金」でした。
お客様は、ちょうど新たな製品開発を行っていました。そこで、この補助金を使い、開発にかかる原材料費や外注加工費、人件費などを補てんしたいということでした。
知人の協力も仰ぎながら何とか申請書を完成。補助金の獲得に成功しました。そのおかげで開発も無事成功。今では、最初にお付き合いをした時に比べ、売上高が4~5倍にはなっています。
補助金獲得については、コンサルティングメニューとして掲げていないのですが、ここでの実績が口コミで拡がり様々な企業様のお手伝いをすることになりました。気がつけば、これまでに、のべ16社、合計約1億3,682万円の補助金獲得をお手伝いすることに。今年度も数社をご支援しており、この記事を書いている時点で結果待ちとなっています。
※2016年4月末現在
2016年6月6日に発表されました

ものづくり補助金がフランチャイズ事業にも使えるとは?

通称「ものづくり補助金」と呼ばれていることもあり、ものづくり企業しか使えない。という認識を持っている方が多いようですが実は違います(そもそも知らないという方も多数いますが)。確かに、平成25年3月から公募が開始された「平成24年度補正 ものづくり中小企業・小規模事業者試作開発等支援補助金」では、ものづくりの企業だけが対象となっていたため、フランチャイズ関連の企業で使えるところは皆無でした。しかし、翌年以降は、飲食業や小売業、サービス業など、ものづくり企業以外についても対象となりました。

ものづくり補助金の変容

平成24年度補正予算から4年連続での募集となりました。毎年、少しづつ名称や目的が変化しています。特に、平成24年度補正と平成25年度補正の間では、対象企業(業種)が大きく変化し、ものづくり企業以外も対象になりました。
採択率は毎年4割程度と少々難しいものとなっています(ちなみに私の獲得成功率は8割以上です)

「平成24年度補正 ものづくり中小企業・小規模事業者試作開発等支援補助金」

<目的>
きめ細かく顧客ニーズをとらえる創意工夫にとり組むために、中小企業経営力強化支援方の認定経営革新等支援機関(認定支援機関)等と連携しつつ、ものづくり中小企業・小規模事業者が実施する試作品の開発や設備投資等を支援します。
<公募期間>
1次公募:H25年3月15日~3月25日(1次締切り)、4月15日(2次締切り)
2次公募:H25年6月10日~7月10日
<申請類型>
ものづくり企業のみ、補助上限額:1,000万円、補助率:2/3
小口化・短納期化型、ワンストップ化型、サービス化型、ニッチ分野特化型、生産プロセス強化型
<採択結果>
1次公募一次締切り|応募:1,836件 → 採択:742件|採択率:40.4%
1次公募二次締切り|応募:10,209件 → 採択:4,162件|採択率:40.8%
2次公募|応募:11,926件 → 採択:5,612件|採択率:47.1%
合計|応募:23,971件 → 採択:10,516件|採択率:43.9%

「平成25年度補正 中小企業・小規模事業者 ものづくり・商業・サービス革新事業」

<目的>
革新的なものづくり・サービスの提供等にチャレンジする中小企業・小規模事業者に対し、地方産業競争力協議会とも連携しつつ、試作開発・設備投資等を支援する。
<公募期間>
1次公募:H26年2月17日~3月14日(1次締切り)、5月14日(2次締切り)
2次公募:H26年7月1日~8月11日
<申請類型>
1.成長分野型(「環境・エネルギー」「健康・医療」「航空・宇宙」)
 補助上限額:1,500万円、補助率:2/3、設備投資が必要
2.一般型
 補助上限額:1,000万円、補助率:2/3、設備投資が必要
3.小規模事業者型(小規模企業者に限る)
 補助上限額:700万円、補助率:2/3、設備投資は不可
<採択結果>
1次公募一次締切り|応募:7,396件 → 採択:2,916件|採択率:39.4%
1次公募二次締切り|応募:15,019件 → 採択:6,697件|採択率:44.6%
2次公募|応募:14,502件 → 採択:4,818件|採択率:33.2%
合計|応募:36,917件 → 採択:14,431件|採択率:39.1%

「平成26年度補正 ものづくり・商業・サービス革新補助金」

<目的>
国内外のニーズに対応したサービスやものづくりの新事業を創出するため、認定支援機関やよろず支援拠点等と連携して、革新的な設備投資やサービス・試作品の開発を行う中小企業を支援します。
<公募期間>
1次公募:H27年2月13日~5月8日
2次公募:H27年6月25日~8月5日
<申請類型>
【革新的サービス】
 一般型|補助上限額:1,000万円、補助率:2/3、設備投資が必要
 コンパクト型|補助上限額:700万円、補助率:2/3、設備投資不可
【ものづくり技術】
 補助上限額:1,000万円、補助率:2/3、設備投資が必要
【共同設備投資】
 補助上限額:共同体で5,000万円(500万円/社)、補助率:2/3、設備投資が必要
<採択結果>
1次公募|応募:17,128件 → 採択:7,253件|採択率:42.3%
2次公募|応募:13,350件 → 採択:5,881件|採択率:44.1%
合計|応募:30,478件 → 採択:13,134件|採択率:43.1%

「平成27年度補正 ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金」

<目的>
国内外のニーズに対応したサービスやものづくりの新事業を創出するため、認定支援機関と連携して、革新的なサービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行う中小企業・小規模事業者の設備投資等を支援します。
<公募期間>※公募は1回限りになりました
H28年2月5日~4月13日
<申請類型>
【革新的サービス】、【ものづくり技術】の2類型があり、それぞれについて「1.一般型」、「2.小規模型」、「3.高度生産性向上型」がある。
1.一般型
 補助上限額:1,000万円、補助率:2/3以内、設備投資が必要
2.小規模型(小規模企業者のみ)
 補助上限額:500万円、補助率:2/3以内、設備投資可能(必須ではない)
3.高度生産性向上型(「IoTを用いた設備投資」または「最新モデルを用いた設備投資」が必要)
 補助上限額:3,000万円、補助率:2/3以内、設備投資が必要
<採択結果>
6月発表予定
応募:?件 → 採択:?件|採択率:?%
→2016年6月6日に発表されました。
応募:24,011件 → 採択:7,729件|採択率:32.2%
1回あたりの応募数としては過去最高。採択率も約3割と、なかなか難しいものとなりました。

ものづくり補助金の今後

では、今後はどうなるか?ということですが、これについては正直わかりません。
経済動向や政治の動きによっては、全く無くなることもあれば、総予算や名称、申請可能な企業の条件などを変えて、同等なものが出てくるかもしれません。私の周辺の意見としては、消費税増税が控えていたり(これもどうなるか不透明ですが)、GDPが思うように伸びていなかったりと、経済動向があまり良くない状況であり、何かしらの補助金は出てくるのではないか?というのものが多いです。
もっとも、このような補助金が出ようが出まいが、我々はビジネスの世界にいるわけであり、前述したとおり、補助金ありきで商売を考えるなど、もっての外でしょう。もちろんマクロ経済の動きに、我々が影響を受けることは当然のことではありますが、ビジネスとして当たり前のことを当たり前にやる、という姿勢に変わりはありません。

ものづくり補助金獲得のご支援をお断りすることもあります

「お世話になっているお客様・知人からの依頼は原則断らない主義」ではありますが、それでもお断りすることがあります。正しくは「補助金の活用はやめたほうが良い」というアドバイスをします。
例えば、

「ものづくり補助金というものがあるらしい。それを使って何かやりたい・買いたい」

最も駄目なケース。補助金ありきはありえません。この補助金の目的は「成長戦略」にあります。事業として、しっかり計画・実行があることが前提で、たまたま補助金が活用できるのです。

「補助金使って一発逆転したい」

ギャンブルではありません。まずは、既存事業の建て直しが優先、あるいは別の手段を考えるべきです。

「資金繰りが厳しい。銀行も貸してくれるかどうか」

やめたほうが良いでしょう。補助金の支払いは、設備投資などを行ない、その支払いが完了した後に、後払いされます。1/3は自社で準備する必要があります。実行性のある資金計画が立てられないのであれば、やめておきましょう。

「すぐにでも機械を入れたい。でも、補助金を待って購入しようかと思っている」

補助金を使う場合、機械の発注ができるまで数ヶ月かかります。補助金の申請が通らなくても採択発表までの数ヶ月の間、機械の発注ができないことになります。今すぐに機械を入れなかったことによる機会損失と比べての判断になります。

補助金はバラマキ?でも使い方次第

補助金は、新たな設備投資など、大きな資金を動かしたい時、そのリスクを減算させる良い手段ではありますが、それ自体が目的となっては意味がありません。前述の繰り返しになりますが、この補助金の目的は「成長戦略」にあります。事業として、しっかり計画をして実行ができることが前提で、たまたま補助金が活用できると思っていただきたいのです。
そして、よく言われることとして「補助金?政府のバラマキでしょう?」
正直、私もそう思います。バラマキと言われても仕方ないと思います(すいません。。。)
しかし、この補助金があったおかげで、「売上が4~5倍になった企業」「新たな企業との取引に向けて一歩前に踏み出せた企業」「その結果、次の世代に会社を任せていけると安心した社長」など、さらに元気になった企業をたくさん見てきました。
色々と言われることのある補助金・助成金ではありますが、何事も使い方次第だと思います(当たり前のことですが)。少しでも企業が元気になれるのであれば、結果につながる可能性があるのであれば、と思い、私は支援をしてきました。

ものづくり補助金の申請内容

さて、もっとも気になるポイントです。
補助金の申請書にはどのようなものを記述するのでしょうか?申請方法など詳しいことは、公募要項に任せるとして、特に審査対象となる部分について解説します。

「平成27年度補正 ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金」の公募要項から確認

公募要項には、申請に記入にかかる留意点という項目があり、具体的な取組内容将来の展望(本事業の成果の事業化に向けて想定している内容及び期待される効果)について記述しなさいとなっています。また、審査項目としては、技術面事業化面」「政策面」「その他(加点項目)が挙げられています。
次に、申請書の中で、主に審査される箇所は以下の部分です。
その1:革新的な試作品開発・生産プロセスの改善の具体的な取組内容
その2:将来の展望(本事業の成果の事業化に向けて想定している内容及び期待される効果)
少し分かりづらいかもしれませんが、申請書に記述すべき内容や審査されるポイントは、全て公募要項や申請書フォーマットに書いてあります。最低限、求められていることは記述しなければなりません。

ものづくり補助金の申請にもストーリーが大事

ものづくり補助金では、すべて書類審査のみで採択が決定されます。面接などはありません。その方が気楽と思う方もいるかもしれませんが、逆から見れば「書類でしか」伝えることができない。ということになります。
事業計画を立てて、それをプレゼンするつもりで書きましょう。ストーリー立てて伝えることで、読み手である審査員が読みやすくなります。
さらに、読み手の立場で考えて書くことが大事です。審査員は、あなたの会社のことは全く知りません。また、その事業内容についても知りません。例えば、難しい専門用語は読み手が理解できないと考えておくべきです。また、図表なども使い視覚に訴えながら書くことで、伝わりやすさは格段にあがります。
以下、ストーリーの例です。

その1:革新的な試作品開発・生産プロセスの改善の具体的な取組内容

(1)まずは、自社の紹介から
  • 当社は、◯年に創業して以来、このような展開をしてきました(沿革)
  • そして、こんな事業を行っています(事業紹介)
  • 当社の商品・サービスは、こんな特徴があり、こんなお客様に使われています(商品・サービス、顧客の紹介)
  • 当社にはこんな強みがあり、お客様から支持されてきました(強みの宣言)
(2)次に、課題を明確に
  • お客様からは、こんな要望が出てきています(顕在化した顧客要望)
  • 当社の成長のためには、その要望に答える必要があります(機会を捉える)
  • しかし、その要望に答えるためには、こんな技術的な課題があります(課題の明確化)
(3)そして、解決策はこうです
  • こんな方法で解決します。こんな生産・提供プロセスにします(解決策)
  • これを実現するためには、こんな特徴を持った機器を導入する必要があります(解決2:機器説明)
  • この機器を導入すると、こんな効果があります。導入前後を比較するとこんな風に変わります(効果)
(4)この解決策によって、こんな競争力強化が図れるようになります
  • 解決策を実施することで、商品・サービスや、その提供方法などで、他社と比べてこのような差別化が図れるようになります(競争力強化)
  • 当社の強みにプラスして機器を導入することで、こんな差別化が図れるようになるのです(強みの増強)
(5)補助金事業の期間において、具体的にこんな風に取り組みます
  • このようなステップを踏みながら機器導入を進めます(メーカーとの交渉、メーカーで生産、導入・設置)
  • 導入した機器を使いこなして自社のプロセスに取り込むために、こんな取り組みをします(定着化に向けた施策)
  • 具体的なスケジュールと体制はこちらです(スケジュール表、体制表)
(6)この取り組みは、国の政策と、このように関連しています
  • ものづくり技術の場合:「特定ものづくり基盤技術」との関連性を説明
  • 革新的サービスの場合:「中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン」との関連性を説明

その2:将来の展望(本事業の成果の事業化に向けて想定している内容及び期待される効果)

(1)このようなお客様がターゲットです
  • 具体的なお客様は誰々です(ターゲット)
  • そのお客様(ターゲット)には、こんな特徴・ニーズ・課題があります

※具体的な企業名などがあると、なお良い

(2)これくらいの市場規模があります
  • 前述のターゲットを含む、市場全体として、これくらいの規模があります
  • 例えば、市場規模=客単価×客数(具体的な数値で示すとよい)

※各数値は、総務省など国の機関や、業界団体(一般社団法人◯◯など)などで公表しているデータを用いること(根拠あるデータを用いる)
※グラフ(推移)や表(比較)なども用いると分かりやすくなる

(3)その市場において競合は◯◯で、そこに比べてこんな優位性が持てるようになります
  • 具体的な競合先は、A社、B社、C社です(具体的に挙げる)
  • 補助金の事業を行うことで、事業として競合と比べてこんな優位性が生まれます
  • 性能面や価格、納期など、競合先と比べて、こんな優位性を持つことができるようなります
  • 競合と比べて、こんな特徴のあるポジションを取れるようになります(ポジショニングマップ)
(4)収益面では、このような効果があり、今後、この様に事業展開していきます
  • 補助金の事業を行うことで、収益へはこんな風に寄与します(売上拡大、コスト削減、収益向上)
  • そして、この様に事業展開していきます(新規顧客は◯◯する、既存顧客へは◯◯する)
(5)まとめ

※最後に全体をまとめつつ、国の政策(賃金アップ、TPP、インバウンドなど)への寄与、地域貢献(雇用創出、地域資源の活用など)などへ効果を説明する

(6)事業計画

※直近期末~5年後の収支計画をまとめる
※申請条件に合うように計算する

ものづくり補助金 目次

以下、申請書の目次例をまとめました。

その1:革新的な試作品開発・生産プロセスの改善の具体的な取組内容

(1)当社について
(2)当事業の背景、解決したい技術的課題
①状況
②課題
(3)当事業の取り組み、目標
①概要
②導入機器情報
③機器導入による効果
④機器導入前後における生産工程の比較
(4)他社との差別化による競争力強化
(5)当事業の具体的取組内容
①ステップ
②スケジュール・体制表
(6)特定ものづくり基盤技術との関連性 又は 中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン

その2:将来の展望(本事業の成果の事業化に向けて想定している内容及び期待される効果)

(1)本事業が寄与すると想定する具体的なユーザー
(2)マーケット市場動向、規模
(3)市場における競合および優位性
(4)本事業実施に伴う収益への寄与、事業展開
(5)まとめ

ものづくり補助金 まとめ

  • これまで4年に渡って公募が行われてきた
  • 来年度以降はどうなるかは不明である
  • ものづくり補助金は成長戦略を実現するためのものである
  • 補助金ありきはありえない
  • 補助金申請でもストーリーは大事である
  • 事業計画を立ててそれをプレゼンするつもりで書くこと
  • 読み手の立場で考えて書くことが大事である

来年度以降、どうなるかは不明ですが、今後も、何かしらの助成金・補助金は出てくるでしょう(というより、ものづくり補助金以外にも使えるものはたくさんあります)。自社の戦略上、有効に使うことができるのであれば、折角の機会ですから、次の一歩のために活用するのもありでしょう。
そのためにも、まずは、足元の利益を確保しつつ、自社を振り返り、世の中を見渡し、未来予測をし、明日のビジネスを考え続けることが重要なのです。

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