フランチャイズ契約のポイント ~加盟金やロイヤルティはいくらに設定したら良いでしょうか?~

フランチャイズ契約の加盟金やロイヤルティ

フランチャイズ本部の構築をご支援する際に「加盟金やロイヤルティはいくらぐらいにしたら良いでしょうか?」という質問をよく受けます。
質問:「加盟金」や「ロイヤルティ」の妥当な金額はいくらでしょうか?
答え:フランチャイズ本部によって様々
身もふたもない答えですが、この点について、今回のコラムで解説したいと思います。

加盟金とは何か?

「加盟金」とは、フランチャイズ契約締結時に加盟者から本部に支払われる金銭です。加盟金は、フランチャイズ契約によっては「権利金」「入会金」「分担金」などと呼ぶこともあります。
加盟金の性質は、一般的には、

  1.  営業許諾料(営業権の付与)
  2.  商標・サービスマークの使用料(ブランド使用料)
  3.  開業準備費用(立地診断費用・開業前研修費用等)
  4.  ノウハウ開示の対価(ノウハウ使用料)

として支払われるものとされています。
フランチャイズ契約によっては、加盟金は、ⅰ~ⅳの一部のみの対価する場合があり、そのような場合には「開業前研修費」「マーケティング費用」などという名目で別途徴収とすることがあります。

加盟金の金額はどのように設定したらよいのか?

大前提として、加盟金は、加盟者側がフランチャイズ加盟によって得られるメリットに見合う額でなければなりません。加盟金の額の設定に当たっては、それが第三者から見て暴利に当たるようなレベルであってはならず、同業他社の事例にならいながら妥当な金額を探っていくことになります。
まだ本部としての経験が浅く、ノウハウが十分でない場合や、そのノウハウがマニュアルという形にしきれていない場合、ブランド力が不十分な段階である場合などには、その金額は低く設定しておくべきでしょう。そして、本部やフランチャイズチェーン全体の成長とともに加盟金の金額を増やしていくという考え方もあります。
最初に「加盟金」の金額はフランチャイズ本部によって様々と述べましたが、このような背景があります。

加盟金は返さない?

多くのフランチャイズ契約書には、「加盟金は理由の如何を問わず返還しない」という規定が設けられています。これを、「加盟金不返還特約」という呼び方をしますが、このような加盟金の不返還特約は、法律上、原則として尊重されています。
しかし、近年では、この加盟金の不返還特約について、フランチャイズ本部が敗訴する事例も出てきています。加盟金不返還特約は絶対的なものではなく、慎重に取り扱っていただきたいところです。フランチャイズ加盟の勧誘に当たっては、加盟金が何の対価であるのか、加盟金不返還特約とは何かといったことについてもしっかりと説明することが重要です。
そして、何かしらの原因により、開業にいたらずに加盟契約が解除となったような場合、本部は、加盟金不返還特約を盾に「何が何でも返さない!!」という態度を取るのではなく、互いによく話し合いの場を持ち、場合によっては一部を返金するなど慎重な対応を取るべきです(ただし、明らかに加盟店に瑕疵があるようなケースでは本部は毅然とした態度を取るべきです)。

保証金の設定方法

加盟金は加盟時に本部が徴収するものですが、同じタイミングで加盟店から預かるものとして「保証金」があります。
保証金とは、加盟者が差し入れる担保としての性質を持つものです。具体的には、「ロイヤルティの支払い」「商品等の仕入」などの担保として設定します。
そして、フランチャイズ契約が終了した時には、担保としての必要性が無くなるため、本部は加盟者への債権が残っている場合には、その金額を差し引いて返金することになります。
保証金の金額設定は、加盟店1店舗あたりの売上高が大きくなる(=ロイヤルティが大きくなる)につれて、あるいは小売店や飲食店のように、加盟者が本部から仕入れる額が大きくなるにつれて、大きく設定することになります。要するに本部のリスクが大きくなる分だけ、保証金を大きくするという考え方になりますが、あまりに大きくすると、加盟店が開業する際に用意すべき最初の金銭が大きくなり過ぎます。
本部のリスク(おおよその1ヶ月間の仕入額など)と、開業時の初期投資額をにらみながら妥当な金額を設定することになります。

続いて定期的に徴収する「ロイヤルティ」について解説したいと思います。

ロイヤルティとは何か?

「加盟金」は、フランチャイズ契約締結時(最初)に加盟者から本部に支払われる金銭でした。

「ロイヤルティ」は、フランチャイズ契約締結後(実際には店舗オープン後)に、加盟者から本部に定期的に支払われる金銭のことであり、継続的に提供されるフランチャイズパッケージに対する対価です。

継続的に提供されるフランチャイズパッケージとは、「商標の継続的使用の許可」「継続的な経営・運営指導(SV)」などが含まれますが、それ以外にも、ITシステムの使用料や本部のよる宣伝広告費などが含まれる場合もあります。逆に、商標の継続的使用料だけを「のれん代」「看板料」と称して徴収する場合もあります。

このように、本部から加盟店に提供されるものは様々あり、これらの対価をまとめて「ロイヤルティ」として徴収することもあれば、それぞれを別々の科目として徴収することもあります。いずれにせよ、加盟店に対しては、毎月徴収される金銭が何の対価なのかをきちんと説明しておく必要があります。

ロイヤルティの算定方法は?

ロイヤルティの算定方法には、毎月決まった額を徴収する「定額方式」と、一定率を用いて算定する「定率方式」があります。また、これらを組み合わせた方式を取る場合もあります。

定額方式の場合には、“1席(坪)あたり●●万円”と店舗サイズに比例する形で設定する場合や、店舗サイズに関係なく“毎月●●万円”と一定額を設定する場合などがあります。定額方式を取る理由としては、本部が加盟店の毎月の売上を把握しきれない場合や、加盟店の業績アップに向けた経営指導を十分に行えない(行いたくない)場合です。また、加盟店のやる気を出させるために、がんばった分だけ収入(利益)が増えるように定額にする場合もあります。

一方、定率方式での算定方式を用いる本部が多く、加盟者の売上高の実績に一定率を乗じて算定しています。コンビニエンスストアの本部では、加盟者の粗利益の実績に対して一定率を乗じて算定しているケースが大半です。

小売業や飲食業では、本部から加盟店へ供給する商品や材料の卸価格に含み利益を確保することで、ロイヤルティ0円としている(形を変えてロイヤルティを徴収している)本部もあります。

ロイヤルティの算定方法の決定に当たっては、フランチャイズシステムの特性を考慮しましょう。POSや顧客の予約システムなど、共通のITシステムを導入しており、加盟者の売上を容易に把握できる業態であれば定率で良いですが、それが把握しにくい業態では定額や卸価格に含む形の方が管理はしやすくなります。

ロイヤルティはどのように設定したらよいか?

具体的に、ロイヤルティはどれくらいにすればよいのか?ということになりますが、これは、その業種の粗利益率の多少などによって設定額を検討することになります。

一般的に、粗利益率は、小売業<飲食業<サービス業一方で、本部から加盟者に対する商品・材料の量(総額)は小売業>飲食業>サービス業というケースが多くなります。この関係から、ロイヤルティの設定額・率としては、小売業<飲食業<サービス業という形になります。売上高に対する定率方式の場合、小売業で3~5%、飲食業で5~7%、サービス業で7~10%というイメージでしょうか。

ロイヤルティは、先に述べたように、「商標の継続的使用の許可」「継続的な経営・運営指導(SV)」という無形なものに対する対価であり、慎重な設定と、加盟店への十分な説明、開業後の適正な運営(指導や報告など)が不可欠なものとなります。

加盟店にとってロイヤルティは、FC契約が継続する限り支払い続けなければならないものであり、その設定は、加盟者にとって過度な負担にならない水準に設定する必要があります。一方、本部はフランチャイズシステムを維持していかなければならないため、ただ安く設定すればよいというものではありません。フランチャイズシステムを維持するために必要な金額の設定が必要になります。

また、複数出店を推奨するために、複数店を出店する加盟者に対しては、インセンティブを与えるような仕組みにすることも検討すると良いでしょう。2店舗目、3店舗目となると、本部と加盟店の関係性ができているうえ、本部としても運営コストを低く抑えることができるので、その利益を加盟者にも還元する事ができます。

以上のような考え方のもと、同業他社や類似する業種の状況を参考にしながら、加盟店の収支モデルの検討、本部の中期事業計画策定の中でシミュレーションを繰り返し、妥当な金額を設定することになります。

参考書籍:フランチャイズ研究会 著「フランチャイズ本部構築ガイドブック」(同友館)

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