SVを育成しないままの店舗展開は危険 -フランチャイズ本部のSVに必要な6つの能力-

普段、私がご支援する企業様は、FC本部としてはアーリーステージにあり、これからFC本部を構築しようとしているか、FC制度は導入したもののまだ不十分な状態というケースがほとんどです。

アーリーステージのFC本部で問題になりやすいのが、SVの育成まで手が回っていない状況にあるということです。そのため、急速に店舗数が増えている・増える計画がある状況にも関わらず、加盟者に対して十分な指導・支援ができない可能性があるということです。

以前に、「フランチャイズ本部のSVは違和感を持て -SVに必要な能力-」というコラムを書きましたが、今回は、その6つの能力について解説します。

■SVに必要な6つの能力

以前のコラムでは、SVに必要な能力は次の6つに分けられると解説しました。

  1. コンサルティング能力
  2. カウンセリング能力
  3. コミュニケーション能力
  4. コーディネート能力
  5. コントロール能力
  6. プロモーション能力

それぞれを確認します。

1.コンサルティング能力

FCチェーンの業務に関する専門知識は当然のこと、経営的な知識も合わせ持ち、加盟者に対して外部の立場で客観的に現状を観察して、問題点の把握と、その原因を十分に分析し、問題を解決するための対策案を示し加盟者の発展を助ける能力です。

2.カウンセリング能力

様々な問題や課題を抱える加盟者に対して心理的な援助を行う能力です。カウンセリングの領域(加盟者が解決を求める範囲)は、お金に関わる問題にとどまらず、従業員との労使問題や家庭・家族にまでおよぶ場合もあります。

3.コミュ二ケーション能力】

SVの重要な役割として、本部と加盟者をつなぐパイプ役というものがあります。加盟者に対し本部からの連絡事項を伝達するだけでなく、加盟者に行った経営指導の内容や結果、加盟者からの相談内容を本部に報告することも重要な役割です。そのため、伝える能力だけなく、聞く(聴く・訊く)能力も必要になります。

4.コーディネーション能力

FC本部の各部門との調整能力です。FC本部には、事務管理、営業、広報、IT管理、店舗開発、加盟店開発、教育・研修、SVなど様々な部門があり、それぞれが連携しながら加盟者を支援していきます。SVは、加盟者の業績を向上させるために、本部の各部門と密接に連携し、最適な支援につながるように調整する必要があります。

5.コントロール能力

加盟者を管理する能力です。本部と加盟者は対等なパートナー関係です。そのため、本部が加盟者に対して一方的な命令はできません。しかし、加盟者が本部の指導に従わない場合や、契約違反の状況にある場合には、本部の指導に従い契約を遵守するように指導する必要があります。ただ説得するのではなく、加盟者が十分に納得し指導に従うように誘導する必要があります。

6.プロモーション能力

本部が開発した新商品/新サービス、本部が作成した販促物、新たに導入するルールなどを加盟者に取り入れてもらったり、実施してもらったりするための能力です。新商品/新サービスの内容やそのターゲット顧客のイメージ、販促物やルールの意図するところなどをしっかり把握し、自身が腹落ちしておく必要があります。


SVを育成するには、SVに求められる要件(能力)を明確にしたうえで計画的に育成していくことが必要です。SVの育成を置き去りにしたままの店舗展開は非常に危険です。加盟者支援が十分にできない状況のまま店舗数だけが増えていくと、商品・サービスの品質が十分に保てず、あるときチェーンの崩壊の日を迎えるのです。
皆さんも、そのようなチェーンに覚えがあるのではないでしょうか?

参考書籍:フランチャイズ研究会 著「フランチャイズ本部構築ガイドブック」(同友館)

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