フランチャイズ加盟店募集は自社運営のデジタルマーケティングが当たり前の時代に

フランチャイズ加盟店募集

コロナの影響により、2020年3月に行われる予定だった日経主催のフランチャイズ・ショーは中止になりました。同年9月に縮小して開催しましたが、当面、このようなイベントへの参加を禁止とする大手フランチャイズチェーンもあります。営業担当自身が外で人に合うこともできない状態となっています。
これからのフランチャイズ加盟店の募集はどうあるべきでしょうか。
本コラムでは、一般的な営業スタイルの変化を確認し、未来に向けてどのようにしていけば良いのか?今、何をしておくべきなのか?を考えたいと思います。

これまでのフランチャイズ加盟店開発の進め方

これまでのフランチャイズ加盟店開発は、概ね次のように進めていました。

フランチャイズ加盟店開発の流れ

step1

加盟希望者の発掘

ターゲットと展開エリアを明確にする。メディア告知やイベントなどでの情報発信や営業代行会社などを通じて加盟希望者の発掘(リスト化)を行う。

step2

問い合わせ対応

加盟希望者からの問い合わせに対して加盟案内書の送付、加盟希望者の情報(経験、開業時期、予算など)を収集する。継続的フォローを行っていく。

step3

事業説明会

加盟案内書だけでは伝えきれないフランチャイズ本部としての想いやビジョン、フランチャイズシステムの魅力などを伝える。直営店・フランチャイズ店舗の見学ツアーを行う場合もある。

step4

個別面談

事業説明会の参加者を個別説明会へ誘導して、より具体的な情報(既存店の収益状況など)を提示していく。同時に加盟者としての適正を判断する。

step5

加盟申込・審査

加盟申込書と同時に、審査に必要な書類を提出してもらう。トップ面談も行い、審査を通過したならば、法定開示書面を用いて契約内容の詳細な説明を行う。

step6

店舗探し・フランチャイズ契約の締結

本部による店舗探しの支援(情報提供)を行うケースも多い。契約締結前には必ず契約書の読み合わせを行う。契約書を預けて1週間程度の熟考期間を設ける。

この基本的な流れは、これからも大きく変わることはないでしょう。しかし、新型コロナウィルスの感染拡大によって、各種イベントは中止になり、テレワークが中心になったことでオフィスには人がいません。何よりも営業担当自身が外で人に合うことができない状態となっています。企業の対応、個人の生活や働き方も、コロナが発生する前とは大きく異なっています。

営業スタイルの変化

インターネットの普及や様々なWEBサービスの登場を背景に、営業スタイルは[オールド営業型]→[集客型]→[データドリブン型]と変化しています。そして、コロナ禍の現在から未来にかけて、更なる変化が起きてくるものと予想されます。

オールド営業型

営業といえば、非常に属人的で、個人の持つ営業力・経験・人脈をもとにして結果を出すということが一般的でした。テレアポや飛び込みを数百件したり、数十件の顧客回りをしたり、とにかく数をこなせというスタイルです。
特にインターネットが普及する前は、一人の営業担当が、顧客リストを作り、アプローチし、追客(顧客育成)し、商談に持ち込み結果を出すまで一貫して行うことが当たり前。全ての業務を高レベルで、かつ効率的に進めることは困難であり、その営業方法は属人化し、営業成果の格差は広がるばかりでした。また、属人的であるがゆえに企業全体としてもこれらの営業情報の共有がされておらず、放置されてしまう案件が増えていきました。
そして、追客(顧客育成)というのは、手間はかかるものの、すぐに成果がでないため、その概念だけはあるものの、ほとんど行われていない業務だったといえます。

集客型

インターネットの普及により、企業の情報発信力と収集力が格段に上がってきます。企業がホームページを持つことは当たりまえ。SNSも活用し、自社製品・サービスを認知させようと、検索順位を上げることに躍起になります。
マーケティング部門が作られ、これらの活動とともに、展示会やホームページ、SNSなどから見込客のリストを作成するようになります。ここで作成した見込客リストは営業部門に渡され、営業部門では、追客や提案に力を入れることができるようになります。
ところが、ここで問題が出始めます。マーケティング部門が専門で行うことで見込客リストの数は増えたものの、その質にはバラつきが大きく、商談につながる可能性の低いリストを渡される営業担当は不満を持つようになります。
前述した通り、追客(顧客育成)は成果が出るまで時間がかかります。商談を決めてなんぼの世界で生きている営業担当にしてみれば、今すぐ検討してくれそうな案件だけに集中したいわけで、当然のように、マーケティング部門から供給される見込客リストの重要度は低くなっていきます。見込客の総数は増えたものの、放置される見込客の数も比例して増えていくことになります。
世の中でも、追客(顧客育成)の重要性が高まってくるのですが、具体的な解決方法が確立されず、企業としても追客の重要性はわかっていても、なかなか解決できない状況が続くことになります。

 データドリブン型

これからの時代に求められる営業スタイルは、さらなる分業化とデータドリブン型の営業活動です。これまで、営業部門が担当していた追客(顧客育成)業務を分業します。これを専任する組織はインサイドセールスと呼ばれており、新たに設ける企業が増えています。
インサイドセールスは、マーケティング部門が収集したデータを蓄積し、活用し、見込み客の検討度・意欲度を上げていきます。そのようにして育成された精度の高い見込客リストのみが営業部門に渡されるため、各営業担当者は商談のみに集中できるようになります。成果が個人の営業力に偏ることが少なくなり、効率的な営業活動が可能になるのです。

マーケティングオートメーション(MA)ツールの普及

これまで難しいとされてきた追客(顧客育成)が可能になったのは、企業に集まってくる情報を、ログデータとして自動的に取得・分析できる技術が発達したためです。過去の履歴から顧客の興味や行動を分析し、顧客が求めている情報を配信することも可能です。
データドリブン型の営業を実現するためには、見込み客の行動や動向を蓄積・分析するためのツールの導入が必要になります。それが、マーケティングオートメーション(MA)ツールです。
MAツールとは、一言で言うと「顧客開拓におけるマーケティング活動を自動化・可視化する」ツールです。
MAツールを設置しているサイトに見込み客が訪問し、一定の条件が満たされると、企業名や個人名を特定することができます。企業の場合には、資本金や従業員数、HPのURLなどの企業情報の取得まで可能になることがあります。さらに、見込客が、サイト上でどういう行動を取ったのか(閲覧したページやその順番、滞在時間、ページ読了率、流入元情報、訪問回数など)、詳細な分析をすることが可能です。その見込客がどのような興味を持っているのか、その興味の度合がどれくらい強いのかを推測することができます。
MAツールではメール配信機能がついているものも多くあります。見込客に対して行動、状況に応じて、適切なタイミングでメール配信をすることができます。また、メールの開封率、メールに記載されたURLのクリック率、さらにサイトに流入した見込み客のサイト上の行動も分析可能です。
MAツールで収集するデータは、ただ蓄積するだけでなくグラフや分析レポートとして可視化することも可能で、いま行っている施策に効果があったのかを検証するために有効です。

ウィズ・コロナでフランチャイズ加盟店の開発はどう変わるべきか

最初に解説したように、コロナ禍は人々の生活、仕事のあり方に大きな影響を与えています。
「オールド型」営業のみでは十分な対応ができないことは明白です。この状況で、フランチャイズ本部は何をしていくべきでしょうか。
もちろん業界によって状況は大きく異なりますが、まずはキャッシュアウトを抑えつつ、確保できる資金はとにかく確保すること。国や都道府県、市町村の施策を目ざとく見つけて、使えるものは使うこと。不採算店の整理を行う必要もあるかもしませんが、既存店のブラッシュを行うこと。そして、それと同時に、今の状況下での開発を進めるための準備をしておくこと。
過去を振り返ってみると、このような経済的危機が訪れたあと、フランチャイズ加盟希望者が多く出てくる可能性があります。第一に整理解雇で職を失った個人が増えてくること。そして、既存事業が立ち行かなくなった、あるいは、限界を感じる企業(経営者)が増えてくることが要因です。そして、この状況下で、公的資金が投入されてきます。これらの資金を調達した企業が増えてくることも予想されます。
しかし、既存店に魅力がない、将来性がないフランチャイズに加盟しようとする人はいません。だからこそ、既存店(直営店を含む)のブラッシュは必須です。また、以前よりも情報収集に専念する人が増えています。この状況を安々と逃がすわけには行きません。通常、加盟希望者は1年以上検討を行い意思決定します。だからこそ、今のうちに、フランチャイズ本部自らが情報発信を行い、将来、加盟者(希望者)となる候補者のリストを作っておく必要があるのです。そのためには、「集客型」営業でも不十分です。単なる見込み客(もどき)のリストでは意味がありません。「データドリブン型」の営業スタイルへの変革が必要なのです。

フランチャイズ加盟店募集

しかし、いざデータドリブン型のスタイルへ変えようとしても、すぐに効果は出てきません。インサイドセールスには時間がかかります。
また、重要なのは、オフラインの施策もオンラインの施策も行い、これらの施策を広げて、つないでいくことです。いまや、オフラインもオンラインも融合した「デジタルマーケティング」が当たり前になってきています。

オフライン施策(アナログ) オンライン施策(デジタル)
  • テレアポ/代行
  • 飛び込み
  • DM
  • 新聞雑誌広告
  • 店舗看板・ポスター
  • 展示会
  • セミナー(説明会)
  • WEBサイト(SEO)
  • リスティング広告
  • ディスプレイ広告
  • SNS
  • オウンドメディア
  • ポータルサイト(マッチングサイト)


この状況下で、これらの施策を具体的に行えたかどうか、その結果は、1年後、2年後に明らかな差となって現れてくるはずです。
ぜひ、将来を見据えた、今行うべき重要な「第一歩」を踏み出していただきたいと思います。


参考情報:
マーケティング担当者のための『エムタメ!
無料で使えるMAツール『BowNow
※カーネルコンサルティングでも、デジタルマーケティングに取り組んでいます。
オンライン活用は今後も続く、今からやっておくことが重要です

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