フランチャイズ加盟者向け研修カリキュラムの作成

フランチャイズ加盟者向け研修

フランチャイズに加盟する大きな目的は、ノウハウ(マニュアルと研修)を提供してもらい、一から事業を始めるよりもリスク少なく事業を開始することにあります。そのため、フランチャイズにおける研修(特に開業前研修)は、本部と加盟者の双方にとって重要なものです。
本コラムでは、フランチャイズ加盟者向けの研修カリキュラムの作成方法について解説します。

開業前研修の意義

基本的に加盟者は、その事業の未経験者であり、仮に同じ業界の経験者であっても、加盟したフランチャイズチェーンの経営システムについては知りません。加盟契約をして、ただマニュアルをポンと渡されて、さあ頑張ってくださいと言われても、当然上手くいくはずがありません。
加盟者は、研修によって運営に必要な知識や技能を習得し、初めて事業を開始することができるのです。

本部にしてみても、未熟な加盟者が運営をすることで、顧客からのクレームが頻発したり、業績不振になったり、最悪すぐに閉店に至ってしまったりすれば、チェーンのイメージを損なう恐れもあります。そうならないよう、一定の基準を満たした経営者を誕生させられるよう、カリキュラムを組んでおく必要があります。

カリキュラムの作成

カリキュラムの設計は、加盟者(受講者)を、「どのレベルまで引き上げるか」を設定したうえで、「そのために必要な教育内容・方法・日数」を検討します。
フランチャイズビジネスでは「短期間で必要十分なノウハウを身につけられる」ことも大きなポイントとなります。開業前の教育に長くかかれば、その分だけ、まだ売上が上がっていない段階で店舗家賃やスタッフの給与などがかかってしまいます。本部にとっては、短期間でプロ経営者に育てる研修システムを持つことが大変重要です。
カリキュラムの項目ごとに、どのマニュアルが必要になるかもピックアップします。ピックアップしたマニュアルを、一つにまとめて研修用のテキストにしておきましょう。マニュアルを作成する際には、単元ごとに切りのよいところで改ページをしておくとピックアップしやすいです。また、座学研修では、紙のマニュアルだけなく、動画マニュアルを用いて進めると実地のイメージがつきやすく、効果的かつ効率的に研修を進めることができます。

研修の実施方法について

研修方法としては、主には知識を学ぶ座学形式と、実際に店舗で業務を行いながら学ぶ実地研修を組み合わせるのが一般的です。座学によって学んだ知識を、店舗運営の現場で実際に使えるように、直営店などを利用して業務遂行能力を身につけます。
研修の実施に向けては、出席の有無、受講姿勢などを記録するための出欠表や記録簿を準備しておき、研修が始まったら、毎回、記録にとっておきます。また、研修中に一定単元ごとに、受講生(加盟者)が一定レベルに達しているかテストを行う必要があります。そのための筆記テスト、実務テストも準備します。特に実務テストは、評価軸を明確にして、曖昧な評価にならないよう設計します。

最近では、コロナ対策のため、インターネットを通じて受講できるオンライン型の研修も増えてきています。
オンライン研修は、PC・タブレット端末とインターネット環境が揃えばどこからでも受講可能なため、移動時間、会議室の確保の手間、交通費や宿泊費などが不要となり、本部・加盟者の双方にとって効率的な研修方法と言えます。
オンライン研修は、「リアルタイムにライブ配信によって行う研修」と「予め録画した動画を見る研修」の2つに分けられます。
「予め録画した動画を見る研修」では、研修当日の受講時間や講師、会場などに縛られずに実施することができるため、受講者は好きな時間・場所で自由に受講できます。本部としては、加盟者が決められた研修を受講したか、受講状況の確認と習熟度合の確認テストだけを行えば良いことになります。
一方、「リアルタイムにライブ配信によって行う研修」は、ZoomのようなWeb会議システムなどを利用してリアルタイムで行います。受講者は、各々好きな場所で研修を受けることができます。研修の受講時間を統一する必要はありますが、リアルタイムな質疑応答やディスカッションなど、コミュニケーションを図れるのがメリットとなります。

加盟店のオーナー(社長)と研修受講生が異なる場合には、研修期間中、オーナーへ定期的に報告を行います。出席状況、受講姿勢、確認テストの点数、研修の修了予定などを伝えます。大事なことは、参加している受講生がふさわしくない人物であれば人員交代の申し出を行うことです。ダメな状態のままズルズルと続けていても、両社にとって不幸になるだけです。そのためにも、出席状況、受講姿勢、確認テストなどの記録をしっかりとっておくことです。
前提として、フランチャイズビジネス契約書に、NGな人材である場合には人員交代の指示を行う可能性があることを入れておく必要があります。


フランチャイズにおける研修は、本部と加盟者の双方にとって重要なものであるということをよく理解していただき、しっかりと準備していただきたいと思います。

参考書籍:
フランチャイズ研究会 著「フランチャイズ本部構築ガイドブック」(同友館)
フランチャイズ研究会 著「フランチャイズマニュアル作成ガイド」(同友館)

関連記事

  1. フランチャイズマニュアルを整理していなくてトラブルになったお話

  2. フランチャイズ本部に必要な7つの機能(組織)とは何か?どのように構築し…

  3. SVを育成しないままの店舗展開は危険 -フランチャイズ本部のSVに必要…

  4. フランチャイズとは?フランチャイズビジネスで成功したい方は必読の書籍を…

  5. フランチャイズ本部構築はじめの一歩 ~プロトタイプモデルの確立~

  6. フランチャイズ契約でも重要!本部は“絶対”に商標登録をしましょう