私の元には、フランチャイズ本部からの
「直営は黒字なのに、加盟店がなかなか儲からない」
「加盟店との関係がぎくしゃくしていて、SVが現場に行きづらい」
「加盟店数はそこそこあるが、全体として伸び悩んでいる」
といった“フランチャイズ本部の本質的な立て直し”の相談があります。
かつては、「うちはテレビCMも打っているし、ブランド力があるから黙っていても加盟希望が来る」という時代もありました。しかし、今はそうはいきません。
- 競合チェーンの増加
- SNSや口コミによる「本部の評判」の可視化
- 法改正やガイドライン改定による情報開示義務の強化
こうした環境変化のなかで、「とりあえず加盟店を増やしておけば何とかなる」という発想の本部は、確実に厳しくなってきています。
このコラムでは、フランチャイズ本部の「立ち上げ」ではなく、すでにチェーン展開している本部の「立て直し・再生」に焦点を当て、
- 失敗チェーンに共通する構造的な問題
- 実際の再生プロジェクトの優先順位と進め方
- 経営者が押さえておくべきチェックポイント
を、できるだけ実務寄りに整理していきます。
立て直し案件の現場で見えてきた「失敗チェーン」の共通点
共通点① 数字が読めていない本部(単店採算・チェーン全体)
立て直し相談の最初に必ずお聞きするのが、
- モデル店舗(プロトタイプ)のPL(損益計算書)
- 平均的な加盟店のPL
- 本部の収支構造(加盟金・ロイヤルティ・物流・その他)
です。ところが問題のあるフランチャイズ本部の現場では、「正確に把握できていない」ケースが少なくありません。
- 単店レベルでは“だいたい儲かっている”という感覚はあるが、加盟店の利益を数字で示せない
- 粗利率・人件費率・家賃比率といった基本指標(KPI)が整理されていない、加盟店の数値が把握てできていない
- 加盟店も本部も含めたチェーン全体として「どこで儲かり、どこで赤字が出ているのか」が見えない
数字が曖昧なままでは、「どこをどう直すか」の議論が感覚論に終始します。
立て直しの出発点は「現場の感覚」を一度数字に翻訳することです。
共通点② 「売上至上主義」で加盟店の収益に目が向いていない
もう一つの典型パターンは、加盟店の売上だけを追いかけているチェーンです。
- 本部会議では「売上前年比」「月次売上」ばかりが話題になる
- そもそも加盟店のコスト(販管費)が把握できていない
- キャンペーンや値引きで「とにかく売上を上げる」発想が強い
- その結果、加盟店の粗利率・人件費が圧迫され、利益が出ない
加盟店からすると「売上は上がっているのに、手元に全然残らない」となれば、モチベーションは下がり、本部への信頼も失われます。
本部に求められるのは、「売上」ではなく「粗利」「最終利益」まで踏み込んだ指導・支援です。
共通点③ マニュアル不全と“属人的指導”に頼った本部運営
本部の立て直し案件でよくあるのが、
- マニュアルはあるが、古く、現場が実態に合わせて勝手にアレンジしている
- SVによって言うことがバラバラで、加盟店が混乱している
- 「うちのSVの◯◯さんが優秀だから、なんとか回っている」という状況
すなわち、マニュアル・仕組みではなく、個人のスキルや気合に依存している状態です。
立ち上げ期はそれでも回りますが、チェーンが一定規模を超えると限界が来ます。
属人的な指導を「誰が見ても同じレベルで再現できる仕組み」に落としていくことが、立て直しの核心になります。
共通点④ 加盟開発とSVがバラバラに動く組織構造
組織面で目立つのが、加盟開発(新規加盟店募集)とSV(既存加盟店の指導)の連携不足です。
- 加盟開発は「契約件数」という短期目標に追われ、加盟希望者に甘い説明をしがち
- 加盟開発が加盟希望者に伝えていたことがSVにまで伝わっていない
- 現場を知るSVは「この条件では厳しい」と分かっていても、口を出しづらい
結果として、無理のある加盟が増え、数年後の立て直し案件予備軍が量産されてしまいます。
「売る人」と「育てる人」が別組織なのは当然ですが、その情報が本部内で共有されていないことが問題です。
共通点⑤ トラブル・クレーム情報が本部に上がってこない
最後に見逃せないのが、情報のブラックボックス化です。
- 加盟店とSVの間だけでトラブルが完結し、本部上層部まで上がらない
- クレーム対応が場当たり的で、ノウハウが蓄積されない
- 同じ失敗が、別の店舗・別のエリアで繰り返されている
これは、SVや支社が「本部に悪い情報を上げづらい」文化になっていることの表れでもあります。
立て直しの第一歩は「悪い情報ほど早く・正確に本部に集まる仕組み」をつくることです。
赤字・加盟店離反はなぜ起こるのか:悪循環のメカニズム
売上減少→値引き→ブランド毀損のスパイラル
多くのチェーンが陥るのが、
- 売上が落ち始める
- 売上を戻すため、値引き・クーポン・過剰なキャンペーンを連発
- 粗利が削られ、利益が出ない
- ブランド価値が下がり、さらに売上が落ちる
という負のスパイラルです。
加盟店は短期的には「キャンペーンで少し売上が戻った」と感じるかもしれませんが、中長期的には「疲弊」と「値引き慣れした顧客」だけが残ります。
本部としては、売上だけでなく、
- 粗利率
- 値引き前後の顧客単価とリピート率
- ブランドイメージへの影響
といった観点で、施策の是非を判断する必要があります。
新規加盟に頼りすぎる「自転車操業型」フランチャイズ
フランチャイズ本部事業のPLを見ると、次のような構造になっていることがあります。
- 本部収益の多くが「加盟金」「研修費」「開業サポート料」など一時金に依存
- ロイヤルティや物流マージンなど、ストック収益が弱い
この構造の怖いところは「新規加盟が止まった瞬間、本部が回らなくなる」という点です。
そうなると、本部は無理に加盟店を増やそうとして、
- ターゲットではない層にも加盟を勧める
- 立地や資金力など、審査基準を甘くする
という悪循環に入ります。
立て直しの観点からは、本部の収益構造自体を“加盟金頼み”から脱却させる必要があります。
そのためには、加盟者の継続的な成功が何よりも重要であり、本部と加盟者の継続的な関係の中から、本部が収益を上げていく構造に立て直す必要があります。
本部と加盟店の信頼関係が壊れていくプロセス
加盟店の離反は、一夜にして起こるわけではありません。
多くの場合、次のようなプロセスをたどります。
- 売上・利益の悩みを本部に相談する
- 本部からは「もっと頑張りましょう」「キャンペーンで乗り切りましょう」としか言われない
- 「話を聞いてくれない」「現場を分かっていない」という不満が蓄積
- 他チェーンや加盟の話に関心が向く
- 最終的に退店・他ブランドへの乗り換えを決断
ここで大切なのは、数字の議論だけでなく、感情の蓄積にも目を向けることです。
「どのタイミングで、どんな声をきちんと受け止めるべきだったのか」を振り返ることが、再生のヒントになります。
「現場の声」と「本部の思い」がすれ違う場面
本部側は本部側で、
- 新商品の開発
- ブランドリニューアル
- システム導入
など、チェーンのためを思って施策を打っているつもりです。
しかし加盟店の現場からすると、
- 「また余計なことを始めた」
- 「現場の負担を分かっていない」
- 「どうせすぐ方針が変わる」
と見えてしまうことがよくあります。
このすれ違いを解消するためには、
- 施策の意図と狙いを丁寧に共有する
- 一部の加盟店と事前に協議し、試験導入のうえで全体展開する
- 「やらないこと」を明確にし、優先順位をはっきりさせる
といった、本部側のコミュニケーションスタイルの見直しが欠かせません。
まず何から着手すべきか:FC再生の優先順位
ステップ1:現状把握(数字・加盟店・ブランド)の“見える化”
立て直しプロジェクトで最初にやるべきことは、徹底した現状把握です。
- 数字:
単店別の売上・粗利・人件費・家賃・ロイヤルティなどを一覧化し、「どの店がどの程度儲かっているか/苦しいか」を可視化する。 - 加盟店:
「安定している」「伸び悩んでいる」「危険水域」「再生に前向き」「ネガティブで影響力が大きい」など、定性的な状態も含めてマッピングする。 - ブランド:
顧客アンケート・口コミ・SNSなどから、ブランドの現状イメージを整理する。
この段階では、良い情報も悪い情報も含めて、ありのままを直視する勇気が求められます。
ステップ2:ビジネスモデルの再点検(儲かる構造になっているか)
次に、ビジネスモデルそのものを再点検します。
- モデル店舗の標準PLが、加盟店にとって魅力的か
- ロイヤルティや仕入れ条件が、加盟店の利益を過度に圧迫していないか
- そもそも客単価・客数のポテンシャルが、ターゲットエリアに合っているか
「努力すれば何とかなる」レベルなのか、「そもそも構造的に無理がある」レベルなのかを見極めることが重要です。
もしモデル自体に無理があるなら、オペレーション改善ではなく“ビジネスモデル自体の改修”が必要になります。
ステップ3:加盟店との対話と「再生のストーリー」の共有
現状把握とモデル点検が済んだら、次は加盟店との対話です。
- 率直に現状を共有する
- 「これから何年かけて、どんな姿を目指すのか」というストーリーを語る
- 本部だけでなく、加盟店にも協力をお願いしたいことを整理して伝える
ここで大切なのは
- 「本部が悪かったから全部やり直します」といった“謝罪一辺倒”でも
- 「加盟店にも問題がある」と責めるスタンスでもなく
「一緒に再生していきましょう」という共同プロジェクトの姿勢を示すことです。
ステップ4:早期に手を打つべき“止血ポイント”の特定
立て直しのプロセスは、中長期の取り組みになりますが、 同時に「今すぐ手を打たないと、これ以上悪化する」ポイントもあります。
- 明らかに赤字が続いている店舗への個別支援・撤退検討
- 深刻なクレーム・事故が発生している業態・メニューの見直し
- 法令違反・コンプライアンスリスクが疑われる運用の是正
これらは、中長期のプランとは別に、早期の“止血策”として優先度高く対応する必要があります。
失敗チェーンに共通する「本部機能」の弱点と再設計
弱点① 加盟開発(加盟店募集)のあり方
誤ったターゲット設定と売り込み型セールス
立て直し本部の多くは、過去の加盟開発に問題を抱えています。
- 「誰でもOK」スタンスで加盟を増やしてきた
- 資金力・経験・価値観のマッチングをほとんど見ていない
- 営業トーク優先で、リスクや厳しさの説明は最小限
その結果「本来向いていない人」が加盟してしまっているケースが少なくありません。
再設計では、
- 理想のオーナー像(経験・資金・価値観・地域)を明文化
- 向かない人には、あえて「今回は見送りましょう」と言える基準をつくる
- 加盟開発担当者の評価指標を「契約件数」一辺倒から見直す
といった「売らない勇気」を含んだ改革が必要です。
情報開示・期待値コントロールの不足
加盟説明資料やセミナーで、
- 良い事例だけを強調しすぎている
- 失敗事例・厳しいケースの話をしていない
- 投資回収シミュレーションが楽観的すぎる
という状況も、立て直し案件ではよく見られます。
期待値コントロールの再設計としては、
- 良い・標準・厳しい、3パターンのシミュレーション提示
- 「この条件だと厳しくなりやすい」というレッドラインの共有
- 「やれば儲かる」ではなく、「こういう人なら再現しやすい」という条件の明示
が重要になります。
弱点② SV(スーパーバイザー)機能の形骸化
「伝票回収係」「クレーム処理係」になっていないか
SVが、
- 書類・帳票の回収だけをしている
- クレームが起きたときだけ火消しに行く
- 本部方針を一方的に伝える“伝書鳩”になっている
というチェーンは少なくありません。
本来SVは、
- 加盟店の業績改善を支援するコンサルタント
- 本部と加盟店の橋渡し役
- チェーンの理念・ブランドを現場に浸透させるキーパーソン
であるべきです。
SVに求められる役割とスキルセットの再定義
立て直しにおいては、SVの役割を改めて定義し直します。
- 「売上を上げるSV」から「利益をつくるSV」へ
- 「チェックするSV」から「伴走するSV」へ
- 「教えるSV」から「一緒に考えさせるSV」へ
そのうえで、
- 数字・PLの読み方
- コミュニケーション・コーチングスキル
- 商品・メニュー・販促の基礎知識
など、必要なスキルを整理し、SVの再教育プログラムを構築していきます。
弱点③ マニュアル・教育・研修の仕組み
「分厚いだけで誰も読まない」マニュアル問題
よくあるのが、立派なファイルにとじられたマニュアルがあるものの、
- 現場ではほとんど読まれていない
- 制定から何年も経っているのに改訂されていない
- 実際のオペレーションと内容がズレている
という状態です。
研修とOJTの設計をどう変えるか
マニュアル再設計では、
- 「紙のマニュアル」+「動画・オンラインツール」を組み合わせる
- オープン前研修とオープン後OJTを一体で設計する
- 「教えっぱなし」ではなく、「理解度・実践度の確認」までセットにする
といった、実際に使われるマニュアル・研修体系へのアップデートが必要です。
再生プロジェクトで実際に行う施策とその進め方
加盟店収益の改善:粗利・人件費・ロイヤルティの見直し
立て直しの中核は、やはり加盟店の収益改善です。
- 原価・仕入条件の見直し(PB商品の強化・仕入れ先再交渉など)
- 売上構成の改善(粗利の高い商品の比率をどう高めるか)
- 人時生産性の改善(シフト設計・オペレーション合理化)
といった施策に加え、場合によっては、
- ロイヤルティ率の見直し
- 本部サービスの内容と対価のバランス調整
にも踏み込む必要があります。
商品・サービス・メニューのリニューアルと検証の進め方
商品・サービスが時代に合わなくなっているケースもあります。
- 客単価が頭打ち
- 競合との差別化が弱い
- SNS映え・話題性に欠ける
こうした場合は、
- 既存商品/新商品/期間限定商品のポートフォリオを再設計する
- 数店舗でテスト導入し、検証のうえで全体展開する
- 「現場発のヒット商品」を本部が拾い上げ、チェーン標準に昇華する
といった、PDCAサイクルの回る商品開発体制が重要になります。
SV体制の強化と「ただ見に行くSV」から「伴走するSV」への転換
再生フェーズでは、一時的にSVの負荷が増えます。
それでも、
- 訪問頻度を増やす
- 店舗滞在時間を長くする
- 「数字の報告」ではなく「打ち手の議論」に時間を割く
といった“濃い伴走”が必要です。
そのために、
- 担当店舗数の一時的な削減(問題ある店舗への集中的なサポート)
- 本部業務の棚卸しと、SVの現場時間確保
- SV間での情報共有・成功事例の横展開
を行い、SVが“SVの本質的な仕事”に時間を使えるようにすることがポイントです。
加盟店コミュニティづくりと“巻き込み型”の改革手法
立て直しを本部だけで進めようとすると、どうしても限界があります。
- 地域別・業態別の加盟店会
- オンラインコミュニティ(チャットツール・会員サイトなど)
- 年1〜2回の全体会議と、勉強会・分科会
などを通じて、加盟店同士が学び合い・支え合う場を整えていくことが、結果として本部の負担軽減にもつながります。
「やってはいけないFC再生」の典型例
施策を乱発して現場を混乱させる本部
立て直しに焦る本部ほど、施策を乱発しがちです。
- 新商品・新キャンペーンを次々と導入
- ブランドロゴ・店舗デザインの頻繁な変更
- システム・ツールの導入を立て続けに行う
加盟店からすると「結局、何を優先してやればいいのか分からない」という状態になり、疲弊します。
「やることを増やす前に、やめることを決める」視点が欠かせません。
見かけだけのブランド刷新・パッケージ変更
ロゴ・看板・内装を変えるリブランディング自体は悪くありません。
しかし中身(商品・サービス・オペレーション・人)が変わっていないのに“外側だけキレイにする”と、
- 一時的な話題にはなるが、リピートにつながらない
- 投資だけ増えて、収益改善には寄与しない
という結果になりがちです。
ブランド刷新は、中身の再設計とセットで初めて意味を持つことを忘れてはいけません。
本部の都合だけでロイヤルティをいじる危険性
本部収益が苦しくなると、ついロイヤルティ率を上げたくなる気持ちは分かります。
しかし、
- 加盟店の収益構造を無視した値上げ
- 十分な説明・協議を欠いた一方的な変更
は、チェーン崩壊の引き金になりかねません。
ロイヤルティ見直しが必要な場合は、
- なぜ必要なのか(コスト構造・投資計画)を数字で示す
- その分本部が何を提供するのか(サービスレベルの向上)を明確にする
- 経過措置や段階的引き上げなど、ソフトランディングの工夫をする
といった慎重なプロセスが不可欠です。
「悪者探し」で終わる再生プロジェクトの末路
最後に、最も避けたいのが、
- 「前任経営陣が悪かった」
- 「一部の加盟店が足を引っ張っている」
- 「SVが仕事をしていない」
といった“悪者探し”で終わるパターンです。
もちろん、個々人の責任問題が全く無いわけではありません。
しかし、立て直しの本質は、構造の欠陥・仕組みの問題を是正することです。
「誰が悪いか」ではなく「どんな構造がこうした結果を生んだのか」を見つめ直す姿勢が求められます。
本部再生に取り組む経営者へのチェックリスト
まず自社チェーンの現状を診断する10の質問
最後に、フランチャイズ本部の立て直しを検討している経営者の方に向けて、
自社の現状を簡易診断する問いを挙げておきます。
- モデル店舗の最新PL(売上・粗利・人件費・家賃・ロイヤルティ等)を即座に提示できるか。
- 全加盟店の利益状況を「感覚」ではなく「数字」で把握しているか。
- ロイヤルティや本部収益は、加盟店の利益を犠牲にしていないか。
- 加盟開発のターゲット像と、審査基準は明文化されているか。
- SVの役割が「訪問」「書類提出」だけになっていないか。
- マニュアル・研修は、現場で実際に活用されているか。
- クレーム・トラブル情報は、時差なく本部に集約されているか。
- ここ1〜2年で「やめた加盟店」の声を、本部としてきちんと分析しているか。
- 3年後・5年後のチェーンのあるべき姿を、言語化できているか。
- 経営陣自身が「変わる覚悟」を持てているか。
「今すぐやめるべきこと」と「これから始めるべきこと」
立て直しプロジェクトでは、
- 何か新しいことを始める前に、「今すぐやめること」を決める
- 中途半端に続けている施策・ルール・慣習を棚卸しする
ことから始めると、現場の負担感も軽くなり、改革の受け入れもスムーズになります。
一方で、「これだけは始めたい」という象徴的な一手を決めておくことも大切です。
- 収益改善に直結する取り組み
- 加盟店の信頼回復につながる取り組み
- 本部の姿勢転換を象徴する取り組み
など、“最初の成功体験”を一緒につくることが、再生プロジェクト全体を前に進めるエネルギーになります。
外部の専門家・第三者を入れるタイミングと活用の仕方
最後に外部の専門家や第三者の活用についても触れておきます。
- 内部だけでは見えない構造的な問題を指摘してもらえる
- 経営陣と加盟店の間に立つ“緩衝材”になれる
- 再生プロジェクトの進行管理役(PM)的な役割を担える
といったメリットがあります。
ただし、外部に丸投げするのではなく「意思決定は自分たちが行う」「チェーンの将来像は自分たちが描く」というスタンスを持ったうえで、“伴走者”として活用するのが望ましい形です。
おわりに:失敗チェーンから「もう一段強い本部」に生まれ変わるために
フランチャイズ本部の立て直しは、決して楽なプロジェクトではありません。
数字と向き合い、加盟店と向き合い、そして何より自分たち本部自身と向き合う作業だからです。
しかし、立て直しのプロセスを真剣に踏んだ本部ほど、
- モデルの強さ
- 加盟店との信頼関係
- 本部組織の一体感
が、一段も二段もレベルアップしているのも事実です。
真に強い本部とは「失敗が一つもない本部」ではなく「再生を乗り越えた」本部です。
「うまくいっていない現実」を直視するのは勇気が要りますが、そこから目をそらさずに一歩を踏み出せば、あなたのフランチャイズ本部は“失敗したチェーン”から“再生を乗り越えた強いチェーン”へと生まれ変わることができます。
もし、今のチェーンに少しでも違和感や危機感をお持ちであれば、今回のコラムをきっかけに、自社本部の現状を静かに棚卸ししてみてください。そこから先の一歩は、必ず「立て直し」だけでなく、「次の成長ステージ」に向かう一歩にもなっていきます。







